15歳以下の生徒様・親権者様向け 英検準1級ライティング(以下、Wという)の正しいアプローチについて

本記事作成の背景について

弊社は様々な年代の生徒様に対応しておりますが、15歳以下の生徒様について、親権者様も含め英検準1級Wというものを適切に把握されていないケースが多くあります。

少しでも効率的に合格を目指す為には正しい知識を持つ事が大事であるため本記事を作成しているものとなります。

先生

15歳以下かつ、海外滞在経験が若干(数年)ある帰国子女の方のケースが特に多くなっております。

あまり伸びていない帰国子女の方の具体例

一つ例をご紹介します。
※弊社有料プランご利用前の状況です。

  • ご本人は現在11歳
  • 過去4回受験済み
  • 受験結果は次の通り

2024/2 R17/31 L23/29 W15/32
2024/1 R18/31 L20/29 W18/32
2023/3 R27/41 L21/29 W8/16
2023/2 R15/41 L24/29 W10/16

15歳以下、特に帰国子女の方に非常に多く見受けられるのはLのみが突出して高く、RとW、特にWが低いです。
この方もそのケースに該当していると言えます。
最新のWの結果については5割を下回ってしまっています。

準1級専門の学習を行わずともLの実力は伸びます。
一方、RとWは準1級専門ないし、準1級レベルに相当する学習を行わなければ伸びません。

この方の正答数の推移を良く見ると、過去1年程において停滞してしまっている事が確認できると思います。
ところどころ、一時的な正当数の上昇はあるものの、基本的に初回受験と最新の受験の正答率は大きく変わっていません。

先生

準1級専門学習、特にインプット学習が大幅に不足していると容易に予想できる典型例とも言えます。
逆に言えば、なぜこの様な停滞となっているかをしっかりと把握し適切な学習を行えば、1年程の停滞を一気に打ち破り努力次第で短期間でも合格が期待できる例とも言えます。

正しいアプローチを知る事は、まず取り組むべきとても重要な事と言えます。

2級合格から準1級合格までの平均学習時間と平均学習期間

2級合格から準1級合格までの平均学習時間と平均学習期間は下記と言われています。

平均学習時間:340時間
平均学習期間:11か月

上記はあくまでも平均であり、上記よりも多く時間や期間を必要とする方も多くいます。
とはいえ、参考とすべき一つの目安であり上記よりも学習時間が大幅に不足している方が圧倒的に多いです。

先生

詳しくは下記の記事を確認しましょう。

【要注意】これに該当したら「取り組み内容」と「意識」の改善が必要

英検準1級Wの学習について正しいアプローチとなっていない方に見受けられる例をご紹介します。

  • 目標が現状の実力や努力状況と乖離している(2級にギリギリ合格し準1級学習を開始したばかりかつ、週に1-3時間の学習時間のみで二か月で合格を目指したい等)
  • 過去問ばかりをやっている
  • 具体的な目的なく演習問題(ライティングの作成)に取り組んでいる
  • 2級までは特に対策なく合格できたからという理由で準1級も特に対策を行っていない
  • 添削を受けるだけで簡単に実力が伸びると誤信している
  • ひたすらテンプレートを覚えている
  • テンプレート化が容易な箇所以外は適切な記載ができていない
  • そもそも問題文が求めている事を満たせていない
  • 要約問題で言い換えを記載したいが、そもそも言い換えできる表現のストックがない
上記の例に関する詳しい説明はこちら
  • 準1級は平均でも340時間、11か月を必要とする試験です。2級にギリギリ合格できた実力かつ週に1ー3時間の学習時間のみで2級に合格する事は、準1級を甘く考えすぎと言えます。
  • 過去問ばかりをやっているという方はなぜかとても多くいます。しかし、良く考えてください。過去問は有限でありまとまった学習時間取り組めばすでに過去問は枯渇しているはずです。過去問ばかりをやっているというのは「学習時間が少ないです」という理解につながってしまいます。
  • 基本的な実力が乏しい中でライティングの作成ばかりを行うと、満足感は得られますが効率的な学習とはなりません。書く事が出来る表現の中で必死にライティングを行うのではなく、書く事が出来る表現を増やす学習こそが効率的な学習につながります。
  • 2級までは特に対策なく合格できたからという理由で準1級も特に対策を行っていないという方も何故かとても多いです。これも準1級を甘く考えすぎと言えます。
  • 添削は「実力や改善点の確認」に効果的です。改善点を把握しながら改善する事なく、添削を受け続けても同じ改善点を指摘されるだけとなります。
  • ひたすらテンプレートを覚えているという方も何故か多くいます。テンプレートというものは要約問題にはほぼ役立ちません。意見論述問題には一部効果的ですが、弊社の指導であれば10分ほどで簡単に覚えられます。10分で覚えられる事をひたすら覚えるというのは効率的な学習とは言えません。
  • テンプレート化が容易な箇所以外は適切な記載ができていないというのは、単に実力不足、自分自身で書ける表現が少ない事を意味します。340時間の内、10分ほどで覚えられるテンプレートのみを覚えても実力は不足します。
  • これまで過去問や演習問題に取り組んできました!というご連絡ながら実際のWを確認すると、問題文が求めているポイントの記載すら確認できないケースがあります。これも学習時間が少なかった事を暗に示してしまいます。
  • 要約問題で言い換えられる表現のストックがないというのは、自分自身の実力として書ける表現が少ない事を意味します。限られた実力という事ですね。
先生

上記に該当するからといって落ち込む必要はありません。
上記に該当するのであれば、明確な改善点があり更に良くなるポイントがあると前向きに捉える事が大事です。

まずは実力確認 初回ライティングの添削を受けよう

現状の実力を把握するために多くの添削を受ける必要はありません。
基本的には一つか二つで実力の把握は容易にできます。

意見論述問題、要約問題共に早い段階で初回ライティングの添削を受けましょう。

可能な限り自分の実力を客観視する

英検では「一生懸命ライティングした!」という事はスコアに反映されません。
どんなに一生懸命ライティングをしても、採点の観点に照らし合わせ良いライティングでなければスコアは伸びません。

添削の結果に対し「主観的」になるのではなく「可能な限り客観的」に、冷静に判断していきましょう。

先生

自分が作成したライティングではなくではなく
「他人が作成したライティング」であれば問題点や改善点を適切に指摘する事はそこまで難しくありません。
自分が作成したライティングであっても、可能な限り客観的に判断し、改善点を見極めましょう。

英検の解答サンプルを確認し、解答サンプルと自分の実力との差を認識する

英検公式サイトに公開されている過去問に対する解答サンプルは英検側からの「こういうライティングであれば高スコアが期待できるよ!」というヒントです。

自分のライティングと解答サンプルの記載を比べれば、必ず「実力差」を認識できるはずです。

  • イントロダクションの記載方法、文の数、語数
  • ボディ1、2の記載方法、ポイントの記載する方法と場所、論理的な文章のつながり方、文の数と語数、どの様に客観的な記載となっているか
  • コンクルージョンの記載方法、文の数、語数
  • ライティング全体の語彙レベル、パラフレーズ状況
  • ライティング全体の文法ミスのなさ、文の形のバリエーション

上記は一例ですが、実力の差はよほどの上級者を除き必ずあります。

その実力の差をしっかりと見極める事ができれば、それが皆様にとっての改善点とも言えます。

【超重要】解答サンプルとの実力差を認識できたら、その差を埋めるための「インプット学習」を行う

はっきりとお伝えします。

結果が出ていない人のほぼ全ては、適切なインプット学習をほとんど行っていない、又は適切なインプット学習の総学習時間数が少ないです。

皆様の実力、具体的には書ける表現を増やす事や正しい文法知識を習得するためには適切なインプット学習が絶対に必要です。
「ここ」の努力の差が合否に直結すると言っても過言ではありません。

先生

弊社のお客様は二か月という短期間でも合格されている方が多くいます。
皆様、インプット学習の重要性を正しく理解し、インプット学習を真剣に取り組んだからこそ合格を手にしていただいていると言えます。

インプット学習を数十時間行い、書ける表現や正しい文法知識が増えたら次の添削を受け更なる課題を見つける

添削はあくまでも実力の確認と改善点の把握に効果的であり、実力そのものを短期間で劇的に改善できるものではありません。

実力を改善させるためにはインプット学習が必須であり、実力が変わらない状況で多くの添削を受けても満足感は得られますが遠回りの学習になってしまいます。

先生

この点を「確かにその通りだな」と感じられ、まとまった学習時間に取り組める方は伸びます。
一方「お金を払っているのだから多く添削を受ける事が大事」と感じてしまう方はあまり伸びません。
何度も改善点を見つけても、具体的に改善しようとする努力がなければ結果には結びつきにくいのです。

弊社の基本的な学習に対する姿勢と、色々な事を頑張りながら合格を目指す事について

15歳以下(10代前半)の方に対する弊社の基本的な姿勢等は下記のページにてご確認いただけます。

準1級は平均でも340時間、11か月を必要とする試験です。

色々な事を頑張るという事は、それだけ英検準1級専門学習の時間が少ない事を意味します。
学習時間が少なければ、それだけ短期間での合格が難しくなります。
一生懸命頑張っているかどうかではなく、総学習時間が不足していればどうしても短期間での合格はできません。

先生

一生懸命頑張っているという抽象的な事ではなく
現実的な学習時間数で考えていくことがおすすめです。

親権者様向けの分かりやすい例について

ライティングの添削に金銭を支払っている以上、多く添削を受けたくなる気持ちはとても分かります。
しかし、生徒様の実力によっては多く添削を受ける事よりも大事な事が多々あります。

すでに基本的な実力が備わっており、後は演習問題だけで良いという方には、多くライティングを提出する様弊社は指導します。

初学者様等、インプット学習自体が大幅に不足している場合はインプット学習を行う事を弊社は指導しています。

なぜこの様な判断となるか例に例えてみましょう。
大学受験の赤本に例えます。

高校入学直後、学校の授業や塾、自習もあまり行っていない状況で、大学入試の過去問である「赤本」に何周も取り組む事を皆様は良い学習と考えますか?

多くの方は良い学習とは考えないと思います。

高校三年間の学校の授業、塾、自習、場合によっては模試等「膨大なインプット学習時間」を経て「最終的に取り組むのが赤本」と考える人がほとんどだと思います。

膨大なインプット学習時間をこなしているからこそ、最後の仕上げとして赤本に取り組む事が効果的です。
では、インプット学習時間をこなしていないにも関わらず添削のみを受け続ける事は効果的と言えるでしょうか。

学校の授業等に例えれば「当たりまえ」の事ですが、なぜか準1級学習となるとまとまったインプット学習を行わずに、具体的な目的なく過去問や演習問題のみに取り組んでいる方がとても多いです。

先生

インプット学習こそが大事です。

まとめ

できる限り最短で合格を目指すなら英検を正しく知る事、そしてインプット学習こそが絶対に必要である事をどれだけ認識できるかが重要です。

ライティングの作成というものは大して時間がかかりません。
30分程度で完了します。

ライティングをひたすら書いていますというのは聞こえは良いですが、初学者様やインプット学習が不足している方にとっては遠回りの学習なだけではなく、学習時間自体もとても少ない事が多いです。
5ライティングを作成したとしてもたった150分、2時間半でしかありません。

その様な学習を行う方よりも数十時間、場合によっては百時間以上のインプット学習を行っている方の方が遥かに実力が伸びます。
本記事を通して、遠回りの学習となってしまうリスクを少しでも回避いただけると弊社としても幸いです。